2024年のNHK大河ドラマ『光る君へ』が、新鮮な時代背景とドラマティックな展開で評判です。
「平安時代にはなじみがないな。登場人物がどっさり、しかも藤原さんだらけでややこしい。公式の相関図を見てもよくわからない」そんなあなたも心配はいりません!
この記事では、『光る君へ』前編(第1回~第19回)を題材に、複雑にからみ合う人間関係を、一目でわかるキャスト相関図であきらかにします。
具体的には、主人公・紫式部/まひろや藤原道長を中心に、相関図をいくつかのパートに分け、彼らを取り巻く多彩なキャラクターたちの関係性を掘り下げます。
歴史的背景に基づいたやさしい解説で、ドラマを深く味わうための下地はバッチリです。
この記事が、ストレスなく『光る君へ』を楽しむためのガイドになりますように。(相関図および解説は、ドラマの進行とともに内容を更新していきます。)
大河ドラマ『光る君へ』の世界
『光る君へ』はいつから始まったどんなドラマ?
大河ドラマ『光る君へ』は、平安中期を舞台に、世界最古の長編小説とされる『源氏物語』を生み出した紫式部の一生を描きます。
「光る君」とは、『源氏物語』の主人公・光源氏を指すのはもちろん、そのモデルのひとりといわれる藤原道長のことでもあります。
ドラマでは紫式部に「まひろ」という名前がつけられ、ソウルメイトである道長との関係を柱に、それぞれの人生の変転や、貴族社会の光と影を描き出していきます。
ドラマの特徴と魅力のヒミツ
歴史的背景と時代考証:
『光る君へ』は、大河ドラマとしては初めて平安時代中期の貴族社会を描くドラマ。
ゼロからのスタートだけに、スタッフは準備段階から時代考証と風俗考証に非常に力を入れてきたそう。徹底的なリサーチをもとに再現されたセットや衣装にも注目!です。
また、当時の社会で、もちろん女性が抑圧されることは多かったですが、文化の面では必ずしもそうではなかったとか。NHK制作統括の内田ゆきさんは、次のように語っています。
平安時代の女性は意外とアクティブで、戦国時代などと比べても当時はおおらかですし、例えば百人一首も男性が先とかでなく男女ばらばらに並んでいるのです。文化の上では、こうあらねばならないという規範から離れて意外に自由が花開いていた時代なのかもしれません。そういう自由さはドラマを観る方々にも知ってもらいたいと思っています。
出典:Yahooニュース https://x.gd/V1LSz
ちなみに、大河ドラマで最古の時代を扱ったのは1976年の『風と雲と虹と』です。紫式部が生まれる30年ほど前、民衆のために反乱を起こした平将門と藤原純友の一生を描いています。
制作の中心は女性チーム
『光る君へ』は、女性が中心となって制作しているドラマです。主演、脚本、制作統括のチーフプロデューサー、チーフ演出の全員が女性。NHKによれば、4役をすべて女性が担当するのは史上初のことです。
脚本は女性ものを得意とする大石静さん
『光る君へ』では、大石静さんが担当する脚本の魅力も見逃せません。
大石さんは、とくに女性の人生を描いた心揺さぶるドラマを得意としています。脚本家デビューは1986年。向田邦子賞や橋田賞をはじめ、数々の受賞歴を持つベテランです。
代表作は『知らなくていいコト』、『長男の嫁』、『アフリカの夜』、『和田家の男たち』など。NHKでの主な作品には大河ドラマ『功名が辻』や連続テレビ小説『オードリー』などがあります。
『知らなくていいコト』で主役の雑誌記者を演じたのが吉高由里子さん、元恋人のカメラマン役で「色気がある」と評判になったのが柄本佑さん。私もこのドラマは好きで、主役、準主役、脚本家が再集結した今回の大河も楽しみです。
史実においては、紫式部と道長の関係にはだいぶ距離がありました。でも、そのままを描いても面白くならないので、大石さんは「プロデュ―サーや演出と知恵を絞りあって二人の関係を構築」したそうです。
そんなプロセスを経て作られた『光る君へ』について、ご本人は次のように語っています。
序盤は通常の大河ドラマよりラブストーリー要素が強いかもしれませんが、一方で当時の政治劇も色濃く描きます。権謀術策と恋愛をうまく絡めれば、よりスリリングなドラマにできると思って頑張っています。
出典: https://www.nhk.jp/p/hikarukimie/ts/1YM111N6KW/blog/bl/ppzGkv7kAZ/bp/pyxPnWMpoy/
平安貴族はただ優雅に暮らしていたわけではなく、激務をこなしたり権力闘争に明け暮れたりと、ハードな側面もあったようですね。しかも争う相手は家族や親戚、姻戚だったり。そこに恋愛沙汰がからんだら、一体どんなことに??
登場人物、キャストたちの魅力を探る
主人公・ 紫式部/まひろ(キャスト:吉高由里子)
紫式部/まひろ(吉高由里子)は『光る君へ』の主人公。下級貴族の娘ですが、少女時代は持ち前の創造力と好奇心で庶民の文化に溶け込み、恋文や和歌の代筆業に手を染めることも。さまざまな困難に出会う中で思慮深く鋭い感性を持つ女性に成長します。
幼い頃に出会った道長とやがて惹かれ合いますが、身分の違いが壁になります。しかし二人の縁は途切れません。道長への思いはまひろの人生に良くも悪くも大きく影響し、その才能を存分に生かしたベストセラー『源氏物語』へとつながっていきます。
ちなみに、彼女が紫式部と呼ばれるようになるのは、源氏物語を著した後です。実際の名前は不明で、「まひろ」はこのドラマの中で付けられた名前です。
まひろのソウルメイト・藤原道長(キャスト:柄本佑)
藤原道長(柄本佑)は、主人公のまひろと特別な絆で結ばれた相手として、ドラマでもっとも重要な位置を占める人物のひとり。
道長は名門・藤原北家に生まれ、少年期はのんびり屋で、兄たちの陰で目立たない存在ながら、父や兄のふるまいを見ながら自分の政治観を養います。また、まひろとの関わりの中で自分の使命に目覚めていきます。思わぬ事態が重なり、若くして政権のトップに就くと、使命に向かってさらに邁進していきます。
藤原道長は、「この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の かけたることも なしと思へば」の歌で一般的には「おごり高ぶった人」というイメージが強いですよね。でも、このドラマでは彼の政治的手腕や人間的魅力などポジティブな側面を中心に、もっとステキな人として描かれていきます。
まひろと道長を取り巻く多彩な登場人物
その他の重要なキャラクターには、次のような人物がいます。
- 紫式部/まひろの家族……父・藤原為時(岸谷五朗)、母・ちやは(国仲涼子)、弟・惟規(高杉真宙)、のちの夫・藤原宣孝(佐々木蔵之介)など
- 藤原道長の家族……父・藤原兼家(段田安則)、母・時姫(三石琴乃)、長兄・藤原道隆(井浦新)、次兄・藤原道兼(玉置玲央)、姉・藤原詮子(吉田羊)など
平安時代は、政治的にも社会的にも、血縁や婚姻で結ばれた関係がモノを言う世界なので、「家族」は重要な存在であり、キーワードでもあります。
まずはまひろと道長の家族関係をおさえておくだけでも、ドラマを理解しやすくなりますよ。
その他、天皇家の人々から宮仕えの公卿や女房たち、さらには市井の人々まで、まひろと道長は多彩な人物に囲まれて人生経験を積み、自分の道を見出していくのです。それぞれがはたす役割や人物像については、この後の相関図の解説でお伝えします。
『光る君へ』前編の相関図を見る前に
『光る君へ』前編の相関図を見る前に、最低限おさえておきたい基礎知識をまとめました。これらを頭の片隅に入れておくと、登場人物たちの関係がもっとよくわかります。
平安時代にくわしい方は、この項目はとばして読んでくださいね。
当時の政治状況
ドラマの背景となる平安時代中期は、藤原氏を中心とした摂関政治が行なわれていました。天皇家に娘を嫁がせ、生まれた皇子が天皇に即位すると、その祖父や伯父などが摂政(未成年の天皇の代理)や関白(成人した天皇の補佐)として政務をつかさどっていたのです。
平安貴族の結婚形態
平安時代の貴族社会において、結婚は、単なる家族間の結びつきを超えた重要な政治的・社会的意味を持っています。
当時は、男性が婿として妻の家に入るのが一般的。生活の面倒を見てもらうだけでなく、妻の父が有力者だった場合は、本人の政治的な地位も引き上げてもらうことができました。
妻には、戸籍上の妻である「嫡妻」(ちゃくさい)と、それ以外の妻(妾)(しょう)の2通りの立場がありました。男性は嫡妻の家に住み、妾の元へは「通う」という形態です。妾は公認の存在ですが、立場や待遇は嫡妻よりも劣っていました。
また、夫婦は別姓です。妻は結婚後も元のままの姓を使い、生まれた子は夫の姓を名乗りました。そのため、相関図でも夫婦の姓、母と子の姓は違っています。
<その他の注意点>
この記事に掲載した相関図は、基本的に主人公のまひろ、または道長を軸とした関係を、家族、同僚などのパートに分けて解説しています。また、実在していても相関図に載っていない家族もいます。「ドラマに登場する人物に絞った相関図」ということで、ご理解ください。
『光る君へ』全体相関図(公式)
さて、いよいよ相関図をご紹介します。NHKが発表している『光る君へ』の全体相関図はこちらのリンクから見られます。↓
大河ドラマ「光る君へ」 全体相関図 – 大河ドラマ「光る君へ」 – NHK
最初にこの相関図を見た時、人数の多さと人物を結ぶ線の多さで「う~ん」と悩みました。グループごとに色分けされているので、それを手がかりに見ていくと、だんだんわかってきますが……。
では次に、全体相関図を元に作成した、まひろの家族や道長の家族など各パーツに分けた相関図を紹介していきます。こちらは当サイト、HEYHEYメディアのオリジナルです。
相関図とキャスト 紫式部/まひろとその家族
(図はクリックで拡大)
POINT
最初に紫式部/まひろとその家族の相関図を解説します。父が下級貴族で貧しかったこと、漢籍や和歌に通じた文人(学者)であったこと、母を早くに亡くしたこと、これらはまひろの人生を左右する大きな要因となっています。
まひろの両親、弟、従者
まひろ(吉高由里子)の父、藤原為時(ためとき)(岸谷五朗)は藤原一門の出ではありますが、貴族の中でも身分の低い受領(ずりょう)階級に属し、学者の道を選んだために経済的には恵まれません。
まひろは、父の影響で少女の頃から和歌や漢籍に触れ、文学の才能を発揮します。一方、弟の惟規(のぶのり)(高杉真宙)は勉学が苦手ですが、人を和ませるキャラの持ち主。明るく家族を支えていた母のちやは(国仲涼子)は、あるとき悲劇に見舞われます。この出来事は、その後の父との関係やまひろの生き方にも影響を及ぼすのです。
まひろの従者・乙丸(矢部太郎)や惟規の乳母・いと(信川清順)は、和歌の代筆のアルバイト、散楽の人々との交流など、型やぶりな行動をとるまひろにハラハラしつつも彼女を支えていきます。
のちのまひろの夫・藤原宣孝
藤原宣孝(佐々木蔵之介)は、父の為時の同僚で同年配。快活な性格のイケオジ。だいぶ先ですが、まひろとは20歳前後も離れた年の差婚をします。
史実では、紫式部は26歳ぐらいで結婚したとされています。当時の女性としてはだいぶ晩婚でした。
相関図とキャスト 藤原道長の家族(親族)1
(図はクリックで拡大)
POINT
藤原道長の親族の相関図です。(ドラマに登場する人のみ。)まひろの場合と同じく、道長から見た関係性を表しています。藤原兼家の嫡妻が産んだ三男の道長は、デキのいい長兄・道隆やピリついた次兄・道兼の陰にかくれ、野心とは無縁の少年期を過ごします。しかし、成長するにつれて彼らとの関係も変わっていくのです。
道長と両親
藤原道長(柄本佑)の父は藤原兼家(段田安則)、母はその嫡妻・時姫(三石琴乃)です。兼家は藤原氏の中でも名門中の名門出身で、権力志向の野心家。とくに長男の道隆に期待をかけています。時姫はおっとりした性格の優しい母です。
道長ときょうだい、その他
道長の長兄、藤原道隆(井浦新)は見た目もアタマも性格もよく、跡継ぎとして申し分ない存在。彼は、嫡妻・高階貴子(板谷由夏)との間に伊周(これちか)、隆家、定子らをもうけます。(「道長の家族(親族)2」「天皇、后と道長、まひろの関係」の相関図を参照。)
次兄の道兼(玉置玲央)は道隆への強い劣等感と父の愛情の薄さに苦しみ、しばしば道長につらく当たります。その激しい気性ゆえに、まひろとの間にも「ある因縁」が生まれます。
初回から暴走しまくった道兼。可哀想な面もありますが、『光る君へ』で一番危ない人かも。でも、本物の藤原道兼が人を殺めたという記録はなく、あくまでも物語のうえでのコトですよ。
姉、詮子(あきこ)(吉田羊)は年の離れた弟の道長を可愛がり、のちに彼の出世にも力を貸す存在となります。(「天皇と后、道長とまひろの関係」参照)
また、道長には、彼が幼少の頃から仕える百舌彦(本多力)という従者がいます。彼は道長がまひろに抱く思いも理解しつつ、彼に寄り添います。
道長とその妻、義理の両親
主人公・まひろ(吉高由里子)との間に特別な絆を結ぶ道長ですが、結局、彼の妻(嫡妻)になるのは源倫子(みなもとのともこ)(黒木華)です。彼女は両親は左大臣・源雅信(みなもとのまさのぶ)(益岡徹)と藤原穆子(みなもとのむつこ)(石野真子)。お姫様としておおらかに育った彼女は、「打毬」に興じる道長の姿を見て恋心を抱きます。そして母の後押しを得て道長の妻となるのです。それ以前から倫子のサロンに参加して、交流があったまひろの心中は……。
紫式部と同じく、道長も当時の人としては晩婚でした。有力者である源雅信の娘の倫子との結婚は、道長の出世にもおおいに貢献したといわれています。
相関図とキャスト 道長の家族(親族)2
(図はクリックで拡大)
POINT
こちらは異母兄や甥だったり、同居していない妻(妾)だったり、親族の中でも道長とはやや距離がある人たちです。甥の伊周(これちか)は、やがて道長と激しい政権争いをくりひろげることになります。
道長と異母兄弟
道長の父・兼家(段田安則)は、妾(しょう)の藤原寧子(やすこ)(財前直見)との間に、道長の異母兄・藤原道綱(上地雄輔)をもうけています。
寧子は一般的には藤原道綱母(ふじわらみちつなのはは)と呼ばれる女性で、『蜻蛉(かげろう)日記』を著した知性豊かな人。しかし息子の道綱にそれを受け継いだフシはなく、父の兼家にも期待されないばかりか、出世も道長に先を越されてしまいます。
道長と甥(道隆の息子)たち、そして従兄
道長の長兄・道隆の嫡男である藤原伊周(これちか)(三浦翔平)は、父に似て才色兼備で自信家。道隆亡き後は道長と出世を争うライバルに。道隆の次男の隆家(竜星涼)はタイプが違う硬派な青年。不遇な環境におかれても自ら道を切り開いていきます。
藤原顕光(宮川一朗太)は兼家の兄の子、つまり道長にとって従兄です。道長と彼は結果的に長いつきあいになります。無能と言われた顕光ですが、競争相手が病などで次々に亡くなると、道長の政権下で重要なポジションに就くのです。
道長ともう一人の妻・明子
道長には、もう一人の妻・源明子(瀧内公美)がいます。嫡妻の倫子に比べて寂しい環境に置かれます。そして後に、道長と特別な絆のあるまひろの存在に、ウツウツとしていくのです。
明子は感情をためこむタイプみたいです。源氏物語の中で生霊になってしまう六条御息所に似ているというウワサも。
相関図とキャスト 道長の同僚、ライバルたち
(図はクリックで拡大)
POINT
道長とともに朝廷に仕える貴族たちです。若い頃は友人同士でも、出世争いが激しくなるとライバルになったり、道長の配下についたりと関係が変わっていきます。そんな中、藤原実資は、道長にとってつねに尊敬すべき煙たい存在であり続けます。
道長と藤原実資の関係
藤原実資(ふじわらのさねすけ)(秋山竜次)は道長よりも年長で先輩格。有職故実(古くからのしきたりなど)に詳しく学識に富んだ人物で、プライドが高く筋を通すガンコ者です。道長は、彼を追い越して出世した後もしばしば彼を頼るのです。
藤原実資が遺した日記『小右記』(しょうゆうき)は、当時の政治や社会、宮廷の儀式などが詳しく書かれた貴重な資料。辛口なコメントや、腹を立てているような記述もあって面白いのです。
道長と四納言の関係
一条天皇の時代に活躍した源俊賢、藤原行成、藤原斉信、藤原公任ら四人の公卿を総称して四納言(しなごん)といいます。
- 源俊賢(みなもとのとしかた)(本田大輔)
道長のもう一人の妻・源明子の兄なので、義兄でもあります。彼ははじめは道隆に仕えていましたが、道長が出世し始めると先見力を発揮し、道長の側近として出世していきます。
以下の3人は、道長が共に青春を過ごす友人たちでもあります。
- 藤原行成(ふじわらのゆきなり)(渡辺大知)
道長よりも6歳下。道長が政権を執ると実直に道長を支えていきます。指折りの能書家(字が上手な人)として知られる存在です。
- 藤原斉信(ふじわらのただのぶ)(金田哲)
俊賢と同じく道長の長兄・道隆に仕えていましたが、道長が頭角を現すとちゃっかり道長の側に付いて出世していきます。妹は花山天皇の女御・忯子(よしこ)です。
・藤原公任(ふじわらのきんとう)(町田啓太)
道長の父・兼家とライバル関係にある関白・藤原頼忠(橋爪淳)の息子で、才色兼備のエリート。出世がからんでくるとだんだん道長との関係も変わってしまいます。
相関図とキャスト 三代の天皇と后、道長、まひろ
(図はクリックで拡大)
POINT
平安時代の摂関政治においては、娘を天皇の后にして天皇の外戚となった者が政治的実権を握っていました。道隆と道長も、彼らの父・兼家と同じように、娘を天皇に入内させることで勢力を伸ばしていきます。まひろは、道長に頼まれて彰子の女房として宮仕えをするかたわら、『源氏物語』の執筆を進めていきます。
三代の天皇と道長、その家族の関係
- 円融天皇(64代)(坂東巳之助)
道長の姉・詮子(あきこ)(吉田羊)は円融天皇(坂東巳之助)の后となって皇子を産みます。そこから父の藤原兼家(段田安則)の勢力は強まり、兄の道隆(井浦新)・道兼(玉置玲央)とともに道長(柄本佑)の出世も加速していきます。
- 花山天皇(65代)(本郷奏多)
円融天皇が崩御して、次に即位したのが花山天皇(本郷奏多)(ほんごうかなた)です。花山天皇は、藤原兼家とは外戚関係にありません。自分の孫(詮子が産んだ子)を早く皇位につけたい兼家は花山天皇が疎ましく、花山天皇のほうも権力志向の兼家を嫌っています。
花山天皇が師貞(もろさだ)親王だった時、漢籍(漢文の書物)の指導をしていたのがまひろの父・藤原為時(岸谷五朗)でした。幼少の頃からクセの強いキャラが爆発してましたね!
やがて花山天皇は寵愛していた女御の藤原忯子(よしこ)(井上咲楽)を亡くし、「ある事件」を起こします。兼家のライバルで権勢を振るっていた花山天皇の叔父・藤原義懐(高橋光臣)は、これがきっかけで失脚してしまいます。
実は、花山天皇の事件を陰で主導するのも道長の父・兼家なのです……。
- 一条天皇(66代)(塩野瑛久)
花山天皇が退くと、幼い懐仁(やすひと)親王が一条天皇として即位し、祖父の兼家が摂政になります。一条天皇が11歳になると、道長の兄・道隆は15歳の娘・定子(高畑充希)を入内させます。成長した一条天皇(塩野瑛久(しおのあきひさ))は定子を深く寵愛しますが、定子の入内から9年後、道長は自分の娘・彰子(見上愛)も一条天皇に入内させるのです。
まひろと宮中の女たち
彰子が一条天皇の中宮になった頃、シングルマザーになっていたまひろは、道長の要請で彰子の女房となり、教養面で支える存在となります。そこでは宮中の女房たちとの交流や駆け引きもあります。
『枕草子』で有名な清少納言/ききょう(ファーストサマー・ウイカ)は、一条天皇のもうひとりの中宮・定子に仕える女房になります。『紫式部日記』には彼女に対する辛らつな批判が書かれていて、しかも史実の上では二人に面識はなかったとされます。しかし、ドラマの中でのまひろと清少納言は若い頃に出会い、互いに刺激し合う悪くない関係を築きます。
女流歌人の赤染衛門(鳳稀かなめ)は、もともと源倫子(黒木華)に仕えていた女性。そのサロンでまひろとも出会いますが、のちに、倫子の娘・彰子の女房となり、まひろとは同僚となります。まひろとは大の文学好きという共通点があります。
相関図とキャスト まひろと道長を取り巻くその他の人々1
(図はクリックで拡大)
POINT
ドラマには、市井の人々や官僚なども含め、まひろと道長の生き方に影響を与える多彩な人物たちが出てきます。
直秀とまひろと道長
町辻で風刺劇などを演じる「散楽」の一員、直秀(毎熊克哉)は、低い身分ながら道長、まひろと接点ができ、双方に影響を与えます。はじめは本音が見えにくい謎の男でしたが、二人のやりとりを手助けするうちにそれぞれと距離が縮まり、一本筋の通った人物像がわかってきます。でも、彼と散楽の仲間たちには盗賊(義賊)という別の顔も……。
ある日、直秀は藤原兼家と家族(道長ら)が住む「東三条殿」に、仲間と共に盗みに入ります。そのことで直秀の運命は大きく変わってしまうのです。
直秀…
— 玉置玲央 (@reo_tamaoki) March 3, 2024
なおひでぇぇぇ
なおひでぇぇぇ・(ノД`;)・゚・ 彼は、まひろと道長にとってきわめて重要なキーパーソンのひとりでした。
安倍晴明と藤原道兼・道長親子
安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)は陰陽道や天文道のエキスパート。天皇や貴族のために占いや陰陽道の儀式を行い、政局にも影響を及ぼす存在。道長の父・兼家の権力闘争においても大きな役割を果たします。やがて、道長自身も彼の力を借りるようになります。
その他、まひろとかかわる人たち
まひろに代筆業を委託した絵師
絵師(三遊亭小遊三)は、絵を描くかたわら文や歌の代筆業を営み、まひろに創作を手がけるきっかけを与える人物。男子のふりをして恋文や和歌の代筆にはげむまひろでしたが、これに反対する父の為時が手を回したため、続けることができなくなります。
為時の妾の娘・さわ
さわ(野村真純)は、まひろの父・為時の妾で病を患う女性の娘。一風変わった個性をもつ彼女は、まひろと打ち解け、彼女を姉のように慕います。
まとめ
2024年のNHK大河ドラマ『光る君へ』前編(第1回~第19回)の相関図を、家族や同僚などパート別に分け、詳しい解説をお届けしました。読んでいただけば、登場人物の位置づけや人間関係がすんなり頭に入ることと思います。
『光る君へ』は、今まであまりスポットが当たらなかった平安時代が舞台だけに、なじみにくい面もあるかもしれません。
でも、制作サイドの談話やドラマの展開からは、しっかりした時代考証の中にも、現代感覚を盛り込んだ斬新なドラマを作ろうという意気込みが伝わってきます。
この記事を参考に、『光る君へ』前編を存分に楽しんでいただければうれしいです。画像や解説、関連記事など随時更新していきますので、時々チェックしてみてください。
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