NHKドラマ10『大奥』シーズン2(2023)が10月3日からスタートしました!
よしながふみ原作の「男女逆転大奥」のシーズン2は、医療編と幕末編の2部構成で放送されます。この記事では11月7日から始まる「幕末編のキャストと相関図」を紹介します。
登場人物のキャラクターや関係性、見どころなどについて、原作とドラマの大ファンでもある筆者がわかりやすく解説します。
「大奥ワールドにすんなり入るための予備知識がほしい」
「登場人物の関係を手っ取り早く理解したい」
そんなあなたに超便利です。ぜひ最後までお読みください!(随時、情報を追加しています)
大奥シーズン2キャスト一覧(幕末編)
~幕末編の主要キャスト~
徳川家定(愛希[まなき]れいか)、瀧山(古川雄大)、阿部正弘(瀧川公美)、島津胤篤(福士蒼汰)、徳川家茂(志田彩良)、和宮(岸井ゆきの)
『大奥 幕末編』では、13代将軍・家定と14代将軍・家茂の時代に、黒船来航や幕末動乱に巻き込まれる大奥の人々の運命が描かれます。(詳しいあらすじは、「あらすじ・感想・見どころ解説」の記事をごらんください。)
大奥シーズン2相関図(幕末編)
こちらに載せたのは大奥幕末編の相関図(中盤ぐらいまで)の簡易版で、原作を参考にしたオリジナルです。関係性には筆者の解釈も入っています。(ピンク=女性、ブルー=男性)
もちろん、全員がはじめから良い関係だったわけではなく、こうなるまでにはイロイロあったりするわけです。
先にキャスト解説の方から読んでいただくと、それぞれのキャラクターの関係性がより理解しやすくなります。
次の項目では、「ドラマの軸になる登場人物たちの関係や役割」を4つのパートに分けて解説していきます。一部に、その人物を象徴するセリフも入れてみました。引き続きお読みください。
大奥シーズン2幕末編 キャスト解説 / 阿部正弘と瀧山
POINT
幕末編は、阿部正弘と瀧山の出会いからドラマが展開します。正弘は、武家出身で、巷で評判の高い陰間(男娼)だった瀧山に会いに行き、その資質を見抜いて大奥にスカウトします。そして、苦悩の中にいる12代将軍の娘・祥子(13代将軍家定)を共に支えていくのです。
阿部正弘(キャスト:瀧内公美)「私と一緒にこの国のために働かぬか?」
阿部正弘(瀧内公美)は、家康の影武者を務めた阿部正勝の子孫。兄の代わりに家督を継ぎ、優れた人間力と能力を発揮して老中へと出世していく。将軍家慶の娘・祥子(のちの家定)(愛希れいか)の境遇に心を痛め、瀧山とともに全力でサポートしていく忠義者。
吉宗に加納久通がいたように、家定には阿部正弘がいました。心から主君を想い、尽くす姿が本当に美しいのです。家定に任されて、政治面でもすごい手腕を発揮します(これは史実そのまま)。ちなみに瀧内さんは2024年の大河ドラマ『光る君へ』にも出演してますよ。
瀧山(キャスト:古川雄大)「人は時に抗えぬ運命のようなお方に出会ってしまう」
瀧山(古川雄大)は、美しい容姿を備え、陰間から大奥総取締に上り詰めた男。老中・阿部正弘に見込まれて大奥入りし、将軍家定と家茂に仕える。器量と権勢を発揮して大奥の男たちをまとめ上げ、徳川幕府の最期を見届ける。
瀧山はこの幕末編においてものすごく重要な役どころ。そして魅力あふれるキャラクターです。詳しくは下の参考記事をどうぞ!
大奥シーズン2幕末編 キャスト解説 / 徳川家定と島津胤篤(天璋院)
POINT
少女の頃から父に虐待を受けてきた徳川家定は、阿部正弘と瀧山の支えによってこれを乗り越え、将軍として目覚めます。そして、正室・島津胤篤との出会いによって、人として女性として初めての幸せなひとときを味わいます。
徳川家定(キャスト:愛希れいか)「そなたのために将軍になった」
徳川家定(愛希れいか)は美貌の13代将軍。不幸な境遇に育ちながらも、聡明さと芯の強さを持っている。阿部正弘(瀧川公美)や瀧山(古川雄大)の忠義にふれて彼らと信頼関係を築き、自分の人生を追求していく。島津胤篤(福士蒼汰)と良き夫婦となる。
愛希れいかさんは、ミュージカル『エリザベート』でも古川雄大さんと共演していますね。瀧山や篤胤にだんだん心を開いていく家定のツンデレがひとつの見どころです!
島津胤篤/天璋院(キャスト:福士蒼汰)「一人の女性に心底惚れるとはこういう事であったか」
島津胤篤/天璋院(福士蒼汰)は、薩摩の島津斉彬が将軍家の内政に介入するために送り込んだ、家定(愛希れいか)の正室。お万の方(福士蒼汰・二役)を彷彿とさせる美しく聡明な男性。やがて家定と良き夫婦となる。家定亡き後は14代将軍・家茂の後見人となる。
シーズン1の万里小路有功(お万の方)とシーズン2の島津篤胤(天璋院)は、顔はそっくりだけどキャラが違います。福士蒼汰さんの演じ分けに注目です!
大奥シーズン2幕末編 キャスト解説 / 後編の重要人物・徳川家茂と和宮、その周辺
POINT
黒船来航から5年、英明な若き女将軍家茂が誕生。公武合体政策によって朝廷から迎えた正室・和宮は、男性のはずが、なんと女性でした。奇妙な関係ながら、二人は互いにかけがえのない存在になります。攘夷論者と開国論者が激しく対立する中、家茂は強い決意で国のために働こうとしますが……。
徳川家茂(キャスト:志田彩良)「あなた様はこの世の光なのです」
徳川家茂(志田彩良)は、若年ながら聡明で人格も優れた14代将軍。家定(愛希れいか)の従妹にあたる。甘いもの好き。和宮(岸井ゆきの)を寛大な優しさで包み込み、強い絆を結ぶ。責任感が強く政治に打ち込み、帝からも信頼を得る。
家茂は、よしなが大奥の中でも一、二を争う愛されキャラです。長く将軍でいてほしかった……。出てこないけど、私は彼女を良い子に育てた乳母の波江も好き。
和宮(キャスト:岸井ゆきの)「私のそばにおればよかったやないの」
江戸城に輿入れした和宮(岸井ゆきの)は、実は偽者で、和宮の姉の親子(ちかこ)だった。自ら弟・和宮の身代わりを志願し、母の勧行院、乳母の土御門と共に男装して江戸に下った。幼い頃から愛に飢えている。家茂(志田彩良)の優しさに触れ、心を通わせる。
和宮はとっても陰影に富んだ人物。いろんな面を持っていて、きっと視聴者の印象もどんどん変わっていくでしょう。そしてこの人が女性だった意味が、最後のほうでわかります。
庭田/勧行院(キャスト:平岩紙)
勧行院(平岩紙)は、和宮兄妹の母。「庭田」として、親子(岸井ゆきの)に付き添って京から下ってきた。親子よりも兄の和宮が可愛くてしかたない。
勧行院の平岩紙さんもハマってます!あのおっとりした線の細い感じ、漫画から抜け出したようでした。しかし第20話では原作以上に振りきった毒親モードに。ちか子さんが可哀想……。
si土御門(キャスト:山村紅葉)
土御門(つちみかど)(山村紅葉)は、親子(岸井ゆきの)に付き添って京から下ってきた乳母。強烈なキャラで、けっこう俗っぽいところもある。
なるほどー!山村紅葉さん‼確かにこの人ならできるわ、土御門‼と思っていたら、ビジュアルの迫力は原作を超えてました……。
能登/志摩(キャスト:中村アン)
能登(中村アン)は、家茂の依頼で、和宮の母・勧行院に仕えるために大奥に入った女性(本名は志摩)。家茂の乳母だった波江の娘。家茂の幼少期の遊び相手も務めていた。
志摩は真面目でキリッとした男前な女性。中村アンさん、男装も似合ってる!ドラマでは勧行院ではなく和宮のお世話のために大奥入りした設定になっています。
大奥シーズン2幕末編 キャスト解説 / その他の重要人物
POINT
幕末編を彩る、その他の重要人物のキャストと役柄を解説します。こちらも「クセつよ」のすごいキャスティングです。(一部、カワイイ人もいます。)
徳川家慶(キャスト:高嶋政伸)「父にはそなただけ……」
12代将軍家慶(高嶋政伸)は、娘である家定(愛希れいか)にゆがんだ愛情と執着を向け、彼女を苦しめる。将軍としてはほとんど何もせず、阿部正弘に頼りきり。
これはまた絶妙な!家慶も大奥屈指の嫌われキャラで、祖母・治斉のDNAを引き継いだ最悪のサイコパスですが、狂気をはらんだ役が得意な高嶋政伸さんの演技が見ものです。キャスティングする方も引き受ける方も、どっちもスゴイぞ!
胤篤付の中臈・中澤(キャスト:木村了)
中澤(木村了)は、薩摩から派遣された島津胤篤(天璋院)付の中臈。常に冷静で、胤篤の養父である島津斉彬への忠誠心が非常に強い。
中澤も重要な役です。原作とのビジュアルの違いにとまどいますが、きっとドラマならではの中澤になるでしょう。(→なっています!とても良いです)関係ないけど木村さんは奥菜恵さんの旦那さんなんですね。
瀧山付の部屋子・仲野(キャスト:中川翼)
仲野(中川翼)は瀧山付の部屋子。謙虚で気が利いて性格が良い。人員が削減されていく大奥の男たちの中で、癒し的存在となる。
原作の仲野はとにかく瀧山のことが大好きで、「きゅるる~ん」とか言いそうな可愛い部屋子ですが、ただ可愛いだけじゃない重要キャラですよ。
老中首座・堀田正睦(キャスト:高木渉)
堀田正睦(高木渉)は、阿部正弘(瀧川公美)の人柄や才覚を認めている温厚な人物。開国派と攘夷派の対立が激化するにつれ、きわめて難しい立場に立たされる。
イイ人なんですけど、歴史的な失敗をしちゃいましたね……。
井伊直弼(キャスト:津田健次郎)「たとえ目の上のこぶでも主は主!」
阿部正弘(瀧川公美)亡き後、大老となった井伊直弼(津田健次郎)は、穏健派の正弘とは異なり、強引な政治手腕で開国を推し進めていく。しかし、安政の大獄と呼ばれた苛烈な政策が攘夷派の反感を買い、桜田門外で暗殺される。
早くも「イケボの井伊直弼!」と大評判になってます。扮装もカッコよく決まってますなぁ。鬼気迫る演技、素晴らしかったです。
勝海舟/勝義邦(キャスト:味方良介)
勝海舟(味方良介)は先の老中阿部正弘(瀧川公美)、家茂(志田彩良)からの信頼厚く、軍艦奉行として活躍。家茂に心酔し、彼女が愛した江戸の町と民衆を守るため、江戸城無血開城に向けて尽力する。
原作に出てくる勝海舟は、ズケズケした物言いが平賀源内と似ていて楽しいキャラです。西郷との和平交渉の時、リアル勝海舟は45歳ぐらい。味方さんは31歳。かなり若返らせてますね。
一橋慶喜/徳川慶喜(キャスト:大東駿介)
一橋慶喜(大東駿介)は14代家茂の後見を務めた後、最後の徳川将軍となる。怜悧だがプライドが高く、他者を慮ることができない。
ものすごく上手に、ヤな感じを出していらっしゃいます。『らんまん』の長屋にいた上野戦争の生き残り、「倉木さん」と同一人物とは思えない!(あの人も最初はいけすかなかったけど、ホントは良い人でした。)でもセリフ回しも所作もめちゃ殿様らしくてスゴイ!
西郷隆盛/西郷吉之助(キャスト:原田泰造)「恥ずべき歴史をなかったことにするため」
西郷隆盛(原田泰造)は薩摩藩出身。島津胤篤(天璋院)とは、彼の奥入りの時に面識を得た。薩長同盟や王政復古を実現させた、明治維新の立役者。戊辰戦争を主導し、江戸城明け渡しと15代将軍慶喜(大東駿介)の粛清をもくろむが……。
原田泰造さんとは思わなかった!ずっと念願だったというのも初耳。どんな西郷になるでしょうか?→『篤姫』の大久保利通が『大奥』では西郷?と、とまどう視聴者もいたようですが、薩摩弁のうまさや重厚感を評価する声が挙がっていましたね。
梅という名の少女(キャスト:宮崎莉里沙)
日本初の女子留学生のひとりで、この時6歳。のちの津田梅子。翻訳者であり、津田塾大学の創設者として知られている。アメリカへ向かう船上で天璋院と出会い、会話を交わす。
宮崎莉里沙ちゃんは、ドラマ『ばらかもん』の「琴石なる」などを演じた人気の子役です。梅は自分の意志でアメリカ行きを決めたと言っていますが、これは史実のとおりです。やっぱり大物ですね!
まとめ
NHKドラマ10『大奥』シーズン2幕末編のキャスト、相関図、それぞれの役割や関係性などをわかりやすく解説しました。
この記事を参照しつつ、クライマックスへ向かう『大奥』の目が離せない展開と、俳優陣の熱演を楽しんでいただければ幸いです!(医療編のキャストや相関図、大奥シーズン2全体のあらすじや感想などは、下のリンクから記事をごらんください。)
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