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大奥シーズン2の面白さが丸わかり!あらすじ・感想・見どころ解説!

大奥シーズン2面白いあらすじ感想

NHKドラマ10大奥シーズン2が始まりました。

医療編」も「幕末編」も、人によってはとっつきにくいテーマに見えるかもしれませんね。

でも、絶対に観る価値あり!とおすすめします。

この記事では、『大奥』シーズン2の面白さを知っていただくために、ドラマの基本情報、シーズン1との違い、あらすじ(ネタバレあり)、全話の個人的感想やSNS上の感想・評判などをわかりやすくお伝えしていきます。

そして、読み進むうちに、番組の見どころも自然とわかる仕掛けになっています。

大奥シーズン2が何倍も楽しくなること間違いなしです。ぜひ最後までお読みください!(あらすじ感想は、ドラマの進行とともに更新(加筆)していきます。ピンポイントで読みたい方は、目次のその部分をクリックしてください。)

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大奥シーズン2は見逃したら損!放送日や原作・脚本・キャストをチェック!

NHKドラマ10『大奥』ってどんなドラマ?

全体像をつかみたい人のために、まずは基本的な情報をお伝えしましょう。(すでに分かっている人はサラッと読みとばしてくださいね。)

NHKドラマ10『大奥』シーズン2はいつからいつまで?

NHKドラマ10『大奥』は、謎の伝染病「赤面疱瘡(あかづらほうそう)」のために若年男子が激減し、男女の役割が逆転した江戸パラレルワールドを描いたSF時代劇。男女逆転大奥とも称されます。

2023年1月~3月シーズン1が放送され、大きな話題となりました。

続編のシーズン2は2023年10月3日(火)から始まり、12月12日(火)に最終回を迎えます(全11話)。

シーズン1で10話まで放送されたのを踏まえて、シーズン2の初回は「第11話」となっています。以下、12話、13話と続きます。

大奥シーズン2の放送日と見逃し配信

毎週火曜日[総合][BS4K]午後10:00~10:45(45分)
※再放送 毎週木曜日午前0:35~午前1:20(地域によって異なる場合あり)
見逃し配信NHKプラスで視聴可能

原作はよしながふみの人気漫画!原作者のコメントも

NHKドラマ10『大奥』は、シーズン1、2共によしながふみさんの人気漫画『大奥』が原作。書籍(電子版含む)の発行部数は、2023年6月時点で700万部を突破しています。

よしながさんは、この作品で第13回手塚治虫文化賞マンガ大賞、小学館漫画賞少女向け部門、日本SF大賞、第72回芸術選奨文部科学大臣新人賞など、数々の賞を受賞しました。

ドラマの「三代将軍家光・万里小路有功編」でもわかるように、はじめのうちは恋愛色の強かった『大奥』ですが、時代が進み、巻を重ねていくうちに、焦点の当たる部分が変わっていきます。それについて、よしながさんはインタビューで次のように語っています。

最初の家光のところでは恋愛もののつもりだったんです。途中で赤面疱瘡のワクチン開発の話になって、政治の話にもなる。御重箱じゃないですけど、一の重、二の重と開けていくとちょっとずつ景色が違うような、読者さんが飽きずに最後まで読んでもらえることを第一に考えました。
出典:https://bunshun.jp/articles/-/59967

Keiko

確かに、まったく飽きずに19巻読みました!何よりも登場人物が魅力的で、描かれた人間ドラマが素晴らしいこと、そして史実をきちんと活かしながら作者のオリジナリティが爆発しているのも大奥の魅力です。よしながさん、ホントに天才だと思う!!

『大奥シーズン2』の脚本家はどんな人?

大奥シーズン2の脚本家は、大奥シーズン1と同じく森下佳子さんです(写真右)。 森下さんは、これまで数々の人気ドラマを手がけているヒットメーカー。原作もののうまさにも定評があります。

森下佳子さんの主なドラマ作品
『世界の中心で、愛をさけぶ』『白夜行』、『JIN-仁-』、『ごちそうさん』、『天皇の料理番』、『おんな城主 直虎』、『義母と娘のブルース』、『天国と地獄〜サイコな2人〜』など

森下さんは、すでに大奥シーズン1の脚本で各方面から絶賛を浴びています。「オリジナルのセリフやシーンも盛り込みながら、勘どころをはずさずにストーリーをまとめあげる手腕が見事」という声がもっぱらでした。

また、原作者のよしながふみさんも森下さんの脚本を高く評価しています。

たとえば、家光編から綱吉編へ、1話の中であざやかな場面転換が行なわれたことについて。

あれこそがまさに漫画で私がやりたかったことなんです。(中略)みんなが大河の一滴になって、流れてゆく時代があるという、漫画で目指していたその感覚をドラマでも味わうことができて、これこれって思いながら見ました。

出典:公式ファンブック「大奥」総攬(白泉社)

また、森下さんが原作の世界観をドラマの中で表現するため、漫画にないセリフを入れることについても、よしながさんはこんなふうにほめています。

まさに家光が思っていることを要約してその一言にされている。そういう感じで漫画の情報がもっと凝縮されている、素晴らしい脚本なんですよ。

出典:公式ファンブック「大奥」総攬(白泉社)
Keiko

こんな森下佳子さんが引き続き脚本を手がけた大奥シーズン2、面白くないわけがありません。横浜流星さん主演の2025年大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の脚本も森下さんなんですよね。他のスタッフの方々も『大奥』と同じだそうで、今から気になりますね!

原作者・制作者・キャストの談話が読めるファンブックも発売中

前述の、森下さんについてのよしながさんのコメントは、『大奥』の公式ファンブックに掲載された鼎談(メンバーはよしながさん、森下さん、NHKプロデューサーの岡本幸江さん)の中での発言です。この鼎談からは、お三方の信頼関係や作品への愛もひしひしと伝わってきますよ。

Keiko

公式ファンブックには、ドラマ制作の裏話や、出演者の本音がわかるインタビューなども載っていて読みごたえがあります(もちろん私も読みました)。おすすめです!

よしながふみ「大奥」公式ファンブック最終完全版! 原作のカラーイラスト80点以上、人物相関図、名場面集、よしなが作品ならではのグルメ大全に加え、NHKドラマ「大奥」キャストのインタビューやコメント、よしなが×脚本家森下佳子×NHKプロデューサーによる対談も収録し、「大奥」の世界を全方位から深堀りした1冊!

シーズン2もシーズン1と同じく豪華キャストが集結!

大奥シーズン2の主要キャストは次の通り。今回も実力派の俳優・女優がずらり。しかも「これはハマりそう!」と思われる人ばかりです。

【医療編】平賀源内(鈴木杏)、黒木(玉置玲央)、青沼(村雨辰剛)、伊兵衛(岡本圭人)、11代将軍家斉(中村蒼)、茂姫(蓮佛美沙子)、松平定信(安達祐実)、田沼意次(松下奈緒)、一橋治斉(仲間由紀恵)etc.

【幕末編】瀧山(古川雄大)、家定(愛希れいか)、阿部正弘(瀧内公美)、和宮(岸井ゆきの)、14代将軍家茂(志田彩良)、島津胤篤/天璋院(福士蒼汰)etc.

Keiko

ドラマへの集中を妨げる「棒演技」の人も見当たらないので、その点でも安心して観られそうですね。

ちなみに、大奥シーズン1では、原作から抜け出したような8代将軍吉宗役の冨永愛さんをはじめ、5代将軍綱吉役の仲里依紗さん、3代将軍家光役の堀田真由さん、9代将軍家重役の三浦透子さんら、女優陣の熱演がとくに注目を集めました。

Keiko

加納久通役の貫地谷しほりさんもお忘れなく。見た目も演技も久通そのもの、素晴らしかったです!

大奥シーズン2のキャスト・相関図の詳細は?

シーズン2医療編と幕末編のキャストや相関図については、こちらの記事でわかりやすく解説しています。

大奥シーズン1とシーズン2の違いはどこに?

大奥シーズン1とシーズン2の違いが気になる人のために、それぞれの時代背景、テーマ、主題歌などを紹介します。

時代背景の違い

大奥シーズン2は、大奥シーズン1の最後で描かれた「吉宗の逝去」の約20年後から始まっています。それぞれの時代背景は次の通り。

・大奥シーズン1の時代背景
3代将軍家光の時代(大奥の始まり)~5代綱吉の時代(元禄時代=幕府政治と大奥の安定期)~8代吉宗の時代(享保の改革、赤面疱瘡の研究第1期

・大奥シーズン2の時代背景
10代将軍家治の時代(田沼意次が政治を主導、赤面疱瘡の研究第2期・人痘接種の実施)~11代家斉の時代(熊痘接種の普及)~13代家定の時代(黒船来航、開国派と攘夷派の対立)~14代家茂の時代(長州征伐)~15代慶喜による大政奉還(徳川幕府と大奥の終焉

メインテーマの違い

この男女逆転大奥は、全編を通じて、現代にも通じるさまざまな問題(ジェンダー、疫病、権力闘争など)を扱っています

しかし、ストーリーが進むにつれて、焦点が当てられる部分は少しずつ変化しています。シーズン1とシーズン2、それぞれのメインテーマは次の通りです。

シーズン1のテーマは「男女の愛憎、女将軍の活躍」

シーズン1では、男女逆転社会で「自ら世継ぎを生む」という宿命を背負った女将軍の苦悩や、男女の愛憎劇が大きなテーマとなっていました。 「8代・徳川吉宗×水野祐之進 編」では、吉宗の財政改革や蘭学の解禁、赤面疱瘡への対応、世継ぎ問題など、政治的な側面がクローズアップされました。

シーズン2医療編のテーマは「赤面疱瘡との闘い」と「人間の闇」

医療編は、文字通り医療がテーマです。赤面疱瘡の解明と根絶をめざして、平賀源内や蘭方医の青沼らが奮闘します。それと同時に表れてくる、権力争いや陰謀などの「人間の心の闇」もハンパではありません。

シーズン2幕末編のテーマは「動乱と幕藩体制の崩壊」

幕末編は、動乱期を迎えた徳川幕府と大奥の人々に焦点が当てられています。幕府の財政難、黒船(ペリー)来航、攘夷派と開国派の対立など、困難な状況の中で、女将軍や彼女を支える人々が精いっぱいに生きる姿が描かれ、壮大なストーリーが幕を閉じていきます。

主題歌の違い

大奥シーズン2の主題歌は、シーズン1とは異なり、Aimer(エメ)さんの『白色蜉蝣』が採用されています。哀愁漂うメロディで、抗えない運命や時の流れを歌っています。

Aimerさんは2011年デビュー。2022年にはテレビアニメ「鬼滅の刃」遊郭編オープニングテーマ・エンディングテーマ「残響散歌/朝が来る」をリリースし、ビルボードジャパンの “JAPAN HOT 100”で7週連続の1位を記録しました。

Keiko

シーズン1の主題歌は、YOASOBI(ヨアソビ)のボーカル・ikuraとしても活躍する幾田りらさんの『蒲公英』でした。

シーズン1のような気まずいシーンはあるの?

大奥 気まずい シーン

大奥シーズン2には、家族で見て気まずい場面はないか?と気になっている人はいませんか。

シーズン1では、水野祐之進(中島裕翔さんのセリフに「種付け」などの表現があったり、五代将軍綱吉(仲里依紗さんの床入りのシーンに過激な描写があったため、「お茶の間がシーンとなった」という声も。

シーズン2に関しては、原作を見るかぎりそこまで直接的な描写はなさそうです。ただ、保証はできません。どうしても心配なら、リアルタイムでは家族と一緒に見ない、などの対策をとりましょう。

Keiko

中井里依紗さんのシーンでは、NHK初のインティマシー・コーディネーター(性的描写があるシーンを適切にサポートするスタッフ)が導入されたことも話題になりました。

(11月3日追記)シーズン2第15話の最後、徳川家慶と家定のシーンの描写は、原作以上にショッキングでした……。NHK、あなどれません。ご家族と一緒の方は、引き続きご注意ください。

大奥シーズン2 医療編のあらすじを紹介!(ネタバレあり)

大奥シーズン2医療編は、前後編に分かれています。

それぞれのあらすじを紹介します。ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

【医療編・前編】第11~13話のあらすじ「明と暗」

大奥シーズン2医療編・前編あらすじ
Keiko

医療編・前編の見どころは、「明」と「暗」。源内や青沼、黒木ら研究チームの結束が固まっていくようすは、和気あいあいとして明るい希望にあふれていますが、それだけに、彼らを待ち受ける運命との対比が際立ってしまうのです。

第11話

気鋭の本草学者・平賀源内(鈴木杏)は、老中・田沼意次(松下奈緒)の命で長崎へ赴き、オランダ人との混血で、蘭語や蘭方医学に通じた吾作(村雨辰剛)を江戸に連れ帰る。

二人と対面した田沼は、「吾作を招いたのは、表向きは大奥での蘭学の講義のためだが、真の目的は吉宗に託された赤面疱瘡の撲滅だ」と明かす。

これを承諾した吾作は「青沼」という新しい名前を与えられ、大奥内の男子に蘭学を教えるかたわら、赤面疱瘡の研究を始める。

第12話

当初はまわりから偏見の目で見られ、心ない仕打ちを受けていた青沼。だが、その人柄や真摯な姿勢に接して、補佐役の黒木(玉置玲央)や大奥で働く男たちの見方が変わっていく。

10代将軍家治(高田夏帆)の正室・五十宮趙珉和)も含め、多くの人間が青沼のもとで学ぶようになる

女性ゆえに蘭学を学ぶことが許されない平賀源内も、杉田玄白ら外部の蘭方医を青沼教室に連れてきたり、各地を回って赤面疱瘡の実態を探るなどして協力する。

一方、そうした動きを疎ましく思う人間もいた。一橋治斉(仲間由紀恵)は、もともと意次を嫌っていた松平定信(安達祐実)にわざと情報をねじ曲げて伝え、意次らへの怒りをあおるのだった。

赤面疱瘡克服の糸口が見つかり、源内は意次にささやかな「褒美」をもらう。喜びでいっぱいの源内だったが、帰宅する途中、何者かが差し向けた暴漢に襲われてしまう。

第13話

赤面疱瘡の人痘(ワクチン)接種が始まった。その効果がわかると、接種を受ける者は大奥以外の男子にも広がっていく。

しかし、人痘を受けた定信の甥が不運にも亡くなり、将軍家治も何者かに毒殺され、意次は失脚。人痘接種の功労者たちはことごとく大奥を追われた。青沼と源内はその命さえも……。

大奥内で蘭学を学ぶことは再び禁じられ、人痘開発の事実そのものが闇に葬られた

この冷酷な筋書きを描いた人物こそが、一橋治斉であった。

【医療編・後編】第14・15話のあらすじ「ラスボス」

大奥シーズン2医療編・後編あらすじ
Keiko

医療編・後編は、源内、青沼、黒木らが大奥を去って5年後から始まります。時は11代将軍家斉の御代。家斉は、将軍の母として権力をふるう治斉の操り人形となっていましたが、次第に自分の意志を持ち始めます。

第14話

治斉(仲間由紀恵)の思惑通り、子息の家斉(中村蒼)が11代将軍の座についた。3代・家光以来の男将軍である。しかし彼に政治的な実権はなく、治斉のいいなり。大奥に渡って次々と子をなすだけの日々を送っていた。

そんな家斉は、自分がかつて青沼に赤面疱瘡の人痘接種を受けたことを覚えていた。治斉に人痘接種の普及を提案するも、「男が政に口を出すな」と激しく叱責されてしまう。

一方、家斉と仲睦まじい正室、茂姫(蓮佛美沙子)は、お志賀をはじめ、他の側室たちともうまくいっていたが、子どもたちの不審死が相次ぎ、周囲への不信感を募らせる。やがてとうとう犯人に思い当たり、半狂乱になって家斉に訴えるのだった。

家斉も、松平定信安達祐実)から自分の母の「正体」を告げられ、愕然とする。

家斉は、赤面疱瘡の研究を再開させて男子の復権を目指そうと決心。松方前田公輝)を伴い、かつて大奥で人痘接種を手がけていた黒木玉置玲央)の家をひそかに訪れる。

第15話

黒木は権力者の身勝手さに激しく怒るが、青沼や源内の遺志を継ぐため「幕府の天文方の通詞」という肩書を得て赤面疱瘡の探究を始める。そして数年かけてついに熊由来のワクチン、「熊痘(ゆうとう)」にたどりつく。

江戸の町民の間に熊痘接種が広まっていくと、美男と美食に気をそらされていた治斉も、ついにその動きを知ってしまう

Keiko

少年の頃の家慶がね、わざわざ祖母の治斉のところに「熊痘を受けたい」って言いにくるんですよ。まったく……。

治斉は家斉と茂姫を自室に呼び、毒入りの菓子を食べろと命じる。母に逆らえない家斉が菓子を口に運ぼうとした時、治斉が突然昏倒する。

実は、茂姫とお志賀は結託していた。お志賀は毒見役として治斉のそばにはべって治斉に毒を盛り続け、家斉たちが呼ばれたこの日はとくに強い毒を盛っていた。茂姫の乱心も嘘だった。自分も毒入り菓子を食べていたお志賀は、その場で絶命してしまう。

しかし家斉は「まだ息がある。化け物でも母は母だ」と言い、御匙を呼ぶよう茂姫に懇願。茂姫はこれを受け入れる。治斉は御匙の手によって一命をとりとめるが、口も聞けない寝たきり状態となる。

家斉はこれ以後、取りつかれたように、湯水のように金を使い、全国で熊痘接種を推し進めていく。

大奥シーズン2 幕末編のあらすじを紹介!(ネタバレあり)

幕末編も、前後編に分かれています。前編、後編のあらすじを紹介します。ネタバレが含まれていますのでご注意ください。

【幕末編・前編】第16~18話のあらすじ「そなたのために将軍になった」

大奥シーズン2幕末編・前編あらすじ
Keiko

幕末編は、13代将軍家定と彼女を取り巻く人物のストーリーから始まります。実の父に虐待されて育った家定は、気難しく身体的にも虚弱でした。しかし、彼女は阿部正弘瀧山、そして島津胤篤との出会いで自分を取り戻していくのです。

第16話のあらすじ

11代将軍・家斉(中村蒼)の命によって熊痘が全国に普及し、赤面疱瘡は撲滅された。成人男子の数も増え、男子が家督を継ぐことが当たり前になりつつあった。

しかし、徳川幕府の13代将軍には女性が内定していた。家斉の息子で12代将軍・家慶(高嶋政伸)の意向を受け、娘の家定(愛希れいか)が指名されたのだ。

家定は、女性老中となった阿部正弘(瀧内公美)に「呼びつけたら直ちに来い」と命じ、それができないと彼女に怒りをぶつけてくる。

やがてその裏にある事情を知った正弘は、家定を救う手立てを模索する中で、芳町で陰間(男娼)として働く瀧山(古川雄大)と出会う。

瀧山の人物を見込んだ正弘は、彼を大奥に迎え、家定を守る体制をつくろうと尽力する。

広大院(蓮佛美沙子)の力添えもあり、正弘は西の丸に小規模ながら大奥を設け、瀧山を大奥総取締とした。瀧山に「あなた様を嫌なことから守るための大奥」と聞かされた家定は、正弘の思いに応えようと決心する。

家定に近づけなくなった家慶は、報復として家定に毒を盛る。家定は一命はとりとめるが、さらに体が弱ってしまう。

そんな折、浦賀にペリーが来航し、家慶はそのショックで急死。家定が13代将軍として立った。

家定から「思う通りにやれ」と言われた正弘は、アメリカからの親書の内容を公開し、広く国防に対する意見を募り、意見書を送ってきた勝海舟味方良介)らを登用して「海軍伝習所」を設置。

そして大奥には、薩摩から定家の新しい正室・島津胤篤福士蒼汰)がやってきた。

第17話のあらすじ

瀧山家定は、薩摩が幕政を操るために篤胤を送り込んだと警戒していたが、薩摩者のイメージを裏切る涼やかな美貌に圧倒される。

つかみどころのない胤篤に、瀧山は油断するまいと気を引き締める。その一方、家定は徐々に彼との距離を縮めていく。

正弘はアメリカとの交渉に関して老中たちの意見が分裂する中、自分の使命を果たそうと心を砕くが、病に襲われて登城できなくなってしまう。

胤篤との散歩の習慣で身体も健康になりつつあった家定は、瀧山に付き添われた正弘に、元気な乗馬姿を見せる。感涙にむせぶ正弘。しかし、家定も正弘も別れが近づいていることを悟っていた。

第18話のあらすじ

通商条約の締結に関して老中首座・堀田が失策を犯し、信頼する正弘の死も重なって、心労を抱えた家定が倒れた。それを心配していた胤篤に、瀧山から予期せぬ報せが届く。家定が懐妊していたのだ。

家定は安全のために中奥で過ごすことになるが、その前に家定と胤篤はしばし平和なひとときを過ごす。家定はやっと胤篤に「好きだ」と伝え、胤篤も自分の思いを告げる。蛍の飛び交う庭を二人で眺めながら、この上もなく幸せな時間が流れる。そんな二人を瀧山は温かく見守るのだった。

だが、それ以後、家定の様子がわからなくなってしまう。

一方、新たに大老となった井伊直弼津田健次郎)は、薩摩らの反対をよそに自らの影響力を増し、アメリカとの条約締結を強引に推し進めていく。

やがて胤篤は、中臈(実は薩摩藩から遣わされた間者)の中澤(木村了)の口から家定の死を知らされ、激高する。やり場のない感情に苦しむ胤篤。

井伊の推挙によって、紀州徳川家の福子姫が14代将軍家茂(志田彩良)となった。胤篤は、家茂が家定の遺志を継ごうとしていることを知り、家茂の後見役・天璋院として大奥に残ることを決意する。

しかし、攘夷派を厳しく弾圧していた井伊がついに暗殺される。徳川幕府の威信が揺らいでいるのは誰の目にも明らかだった。幕府は苦肉の策として公武合体を決意。朝廷から家茂の正室・和宮を迎えた。ところが、やってきたのは―――。

【幕末編・後編】第19~21話のあらすじ

大奥シーズン2幕末編・後編あらすじ
Keiko

家定亡き後、家茂が若き14代将軍となり、大奥では天璋院と瀧山が彼女を支えることに。幕府が弱体化する中、公武合体政策により、家茂は17歳で和宮を正室として迎えます。和宮には大きな秘密がありましたが、家茂はすべてを受け入れ、互いにかけがえのない関係を築きます。一方で、攘夷派と幕府軍の争いを終わらせようと奔走する家茂でしたが、無理が重なり病にたおれてしまいます。

第19話のあらすじ

家茂が迎えた正室・和宮は偽者であり、和宮の姉の親子(ちかこ・岸井ゆきの)だったと判明する。この事実を観行院平岩紙)や土御門(山村紅葉)から聞き、瀧山は怒りを露わにする。

しかし、家茂はこの事態を冷静に受け入れ、予想外の判断を下す。「和宮が女性であることは固く秘すこととする」というのだ。

心配を深める天璋院と瀧山だったが、家茂の優しさ、明るさに、親子は徐々に心を開いていく。そして、実は和宮は生きており、自分が母を独占したいがために身代わりを買って出たことを家茂に打ち明ける。

左手がない状態で生まれ、「いないこと」にされて育ってきた和宮の境遇、彼女の今回の決断に家茂は涙を流し、「あなた様のおかげで和宮は死なずに済み、公武合体も守られた。平和を望む民もこれを喜んでいる。あなた様は世の光なのだ」と力強く励ます。

初めて人に存在価値を認められた親子は、布団の中で号泣。次の日から和宮は家茂の総触れに加わるようになり、天璋院も瀧山も安堵する。

一方、幕府を取り巻く情勢はますます難しくなっていた。攘夷派に主導権を渡さないため、家茂が自ら依頼するという形で一橋慶喜(大東駿介)が将軍の後見役に決まった。

その慶喜は、朝廷のご機嫌取りのために、独断で家茂の上洛を決めてしまう。しかし、家茂はこれを前向きにとらえ、天璋院も彼女の「人の懐に飛び込む才」に期待する。

上洛した家茂は、凛々しい男装姿で帝に謁見し、帝を守りぬく決意を述べる。その頼もしさに帝は安どの笑みを浮かべるのだった。

第20話のあらすじ

家茂(志田彩良)は、「攘夷ではなく開国した上で国防力を強化し、諸外国に対抗したい」意向を茂山逸平)に伝え、理解を得る。勝海舟味方良介)とも再会した家茂は「強い海軍を頼むぞ」と思いを託し、勝もこれを受け止める。

江戸に戻った家茂に、親子(ちかこ)(岸井ゆきの)は自分が京に戻った方がよいのではと言うが、家茂は強く引き留める。家茂は、親子が帝の妹であると証明する宸翰(帝の直筆の文書)も手に入れていた。
家茂は、和宮に会いたがる勧行院(平岩紙)に対しては京に戻れるように計らい、帰る日まで親子を慈しんであげてほしいと頼む。

Keiko

でも、勧行院の口から、親子への情愛を示す言葉は最後まで出なかったのです。

京では公武合体を支持する有力大名らによって参与会議が結成され、一橋慶喜(大東駿介)がそこに加わった。だが、慶喜はあっという間に彼らと決裂。再び上洛した家茂は慶喜と対面するも、まったく話がかみ合わないまま戻ってくる。

親子は、側室を持って子を成すことを家茂に勧める。しかし、この1年月のものが途絶えている家茂は田安徳川家との養子縁組を提案し、二人は養父母として亀之助(森田湊斗)と対面する。

そんな中、家茂が江戸患い(脚気)にかかっているとわかるが、慶喜が帝に家茂の上洛を予告してしまったため、彼女は無理を押してまた京へ旅立つ。家茂を心配した親子は、自分が大奥の男を相手に懐妊し、家茂が懐妊したことにして江戸へ呼び戻そうとまで考える。

その頃、尊王攘夷派の長州が再び過激な動きを見せたため、幕府による第二次長州征伐が始まっていたが、幕府軍の兵は集まらない。それを帝に詫びている最中に家茂は倒れてしまう。

「薩摩が駆けつけてこないのは裏で長州と手を結んだため」「慶喜はフランスから借金をして薩摩と戦おうと考えている」と勝から聞いた家茂は、大政奉還によって戦いを止めようとするしかし病が悪化し、大坂城で亡くなってしまう

長州征伐において幕府軍には勝ち目がなかった。慶喜は家茂が亡くなったのを「好機」と言い、長州との和睦交渉を勝に命じる。勝は歯噛みしながらも命令に従い、和睦が成立。

やがて、親子のもとへ家茂逝去の知らせが入る。家茂に同行していた能登(中村アン)によれば、家茂は、苦しみながら「死にたくない。大奥に帰りたい。親子様に会いたい」と言って亡くなったという。親子は、家茂から贈られた京土産の掻取(打掛)を羽織り、泣き崩れるのだった。

第21話のあらすじ

「養子の亀之助を後継者に」という家茂(志田彩良)の遺言は無視され、慶喜大東駿介)が15代将軍となった。
慶喜は大政奉還を行い、なおも政治的実権を握ろうとする。しかし、新体制をめざす西郷隆盛原田泰造)らの主導で「王政復古の大号令」が出され、慶喜は締め出された形となる。

その後、新政府軍と旧幕府軍の間で鳥羽・伏見の戦い(戊辰戦争の初戦)が勃発するが、西郷らが錦の御旗をかかげ、慶喜を「朝敵」としたことから、慶喜は軍勢を置いたまま江戸に戻ってしまう

勝海舟(味方良介)天璋院(福士蒼汰)親子(ちかこ)(岸井ゆきの)は江戸への総攻撃を防ぐために尽力するが、新政府軍はゆずれない条件として「慶喜の処刑」を主張する。

西郷との会談の席で勝がその真意を尋ねると、西郷は「徳川が女将軍に政(まつりごと)をさせた恥ずべき歴史をなかったことにするため」と言い放つ。

天璋院、瀧山とともに勝に同行していた親子は、亡くなった孝明帝から受け取った2通の宸翰を西郷に示す。そのうち1通には、「岩倉具視と薩摩が謀反人」と書かれていた。
これを公にしてよいかと和宮に迫られ、西郷は長考した末、江戸総攻撃の中止と慶喜の助命を約束する。

親子は「徳川の歴史を好きなようにゆがめていい代わりに、女将軍と女たちが築き上げ守ってきた江戸の町に傷ひとつ付けるな!」と西郷にくぎを刺す。

Keiko

ここで「徳川家の真の御台様」となった親子の姿に、瀧山は涙するのです。

江戸城明け渡しの日が来た。瀧山のふるまいに違和感を覚えた天璋院は、かごに乗る寸前に城内へ戻り、切腹して倒れている瀧山を見つける。一方、新政府の手によって大奥に男たちが仕えた痕跡はすべて消され、没日録も焼き払われた。

時代は進み、明治4年。天璋院改め胤篤と中澤は、アメリカへ向かう船上にいた。そこには、瀧山とその養子となった仲野の姿も。彼らの会話から、そこへ至った経緯が明かされる。

風が吹き、瀧山の帽子が風に飛ばされると、梅という名の幼い少女宮崎莉里沙)がそれを拾う。彼女は日本初の女子留学生のひとりとして船に乗っていた。胤篤は彼女の元へ歩み寄り、大物の片鱗をみせる彼女を励ましつつ「誰にも内緒の話」をそっと伝えるのだった。

Keiko

それは、闇に葬られたこの国のまことの姿……。

大奥ファン必見!大奥シーズン2全話の感想

ここからは、大奥シーズン2の医療編と幕末編11話から21話(最終話))について大奥をこよなく愛する筆者の個人的感想・評価を書かせていただくとともに、厳選したSNSの投稿もシェアします。(ポジティブな感想がメインになります。)

シーズン2医療編 第11話の感想 鈴木杏と村雨辰剛がイイね!

【医療編第11話 個人的感想】

第11話でまず思い出すのは、平賀源内に扮した鈴木杏さんの圧倒的なセリフ回し。あの早口でもしっかり聞き取れる発声と滑舌のよさにビックリ。そして、いつもハイテンションで、笑顔で失言をかます源内のキャラクターを余すことなく表現していました。

そして青沼に扮した村雨辰剛さん。最初にキャストを知った時は、正直、「イケメンすぎない?原作通り、もっと無骨なタイプの方が……」と思いましたが、いえいえ。しっかり青沼になっておられます。長崎弁のうまさもすごいですが、何より、あの純粋な笑顔が青沼そのもので、胸打たれました。

青沼の物語で「ありがとう」は重要なキーワードですが、ちょっとセリフで使いすぎかな?と思いました。でも、限られた時間の中で視聴者に印象づけるには、これくらいでいいのかな。

【医療編第11話 SNSでの感想・評判】

Keiko

本当に鈴木杏さん、実際の演技を見てピッタリの配役だと思いました。もしこの役を下手な人がやったら、ドラマ全体のクオリティが下がってしまったと思います。

Keiko

衣裳展、やりましたね!私も見に行きました。大奥シーズン2の絵葉書がもらえて嬉しかったです。

シーズン2医療編 第12話の感想 人間の器の落差。喜びと苦しみの落差。

【医療編第12話 個人的感想】

12話のはじめの方は、青沼と仲間たちの和気あいあいとした雰囲気にほっとします。見違えるように生き生きした黒木を演じる玉置玲央さんの表情もすごくいいし、男たちが真剣に赤面疱瘡の研究に取り組む姿勢で五十宮への思いを示す、おさえた演出も好き。

一方で、ますます高まる不穏な空気。イイ人ぶって争いの種をまく治斉を、仲間由紀恵さんがネットリとたくみに演じています。ストレートすぎる源内のしゃべりに、安達祐実さんが青筋立てて刀に手をかける姿、迫力ありすぎて怖かったです。それを制した意次・松下奈緒さんのりりしさも印象的。長身の意次が小柄な定信を包み込む姿は、それぞれの「器」を象徴しているようでもあります。

そして終盤。赤面克服の糸口が見つかって喜びに沸く源内と青沼教室。意次に「他愛のない願い」を叶えてもらい、有頂天の源内。でも、そこから先の落差が……。

源内が学問を志して家を捨てた回想シーン、明るい田舎道を走っていた源内の後ろ姿。それが、暴漢に追われ、江戸の夜道を逃げる源内の後ろ姿にパッと変わる。なんとも苦しい、でもすごい場面転換です。

しかしシーズン2も展開が早いですね。時間の制約上しかたないですが、ストーリーを知っていて「えっ、もう!?」と思った人は多いでしょう。次回の予告でまたしても「もう!?」がかいま見えましたね。ああ、つらい。でも、つらい経験は早く済ませてしまったほうがいいかもしれない、とすら思います。ネタバレ気味ですみません。

【医療編第12話 SNSでの感想・評判】

Keiko

そう、「男だから」「女だから」ではないですよね。

シーズン2医療編 第13話の感想 慟哭……。

【医療編第13話 個人的感想】

よしなが大奥の中でも、最も読者(視聴者)の胸をえぐる医療編。とうとうその極みともいえる回が放送されました。みんな人々の幸せのために頑張ったのに、この仕打ち血の涙)‼

漫画での青沼は、裁きが下された瞬間にホッとして嬉しそうな顔をするのですよ。私一人でよかったと。私などはそこが最大の号泣ポイントでしたが、今回はちょっと違う演出で、笑みを見せたのは最後の方でしたね。

源内と黒木とのやりとり、良いシーンでした。自分の願いが現実になったと言ってほしい源内と、優しく肯定してやる黒木。原作と違ってひとりで寝かせていたのは可哀想。菊之丞、とうとう出なかった。

そして黒木の慟哭シーンは、もうそのまま。玉置玲央さん素晴らしかったです。優れた俳優さんが身体を使って表現する、その迫力を見せつけられました。
欲を言えば、黒木のセリフは省略ナシならもっとよかった。「政権の座についてそれで満足か!そんなにおのれの地位が 権力が大切か!?」 だって源内や青沼を悲劇に追いやった元凶はこれですから。

勝手なことを書きましたが、「もっと時間があれば、あれもこれも描けたのに」というのは、作り手の方々が一番感じていらっしゃるでしょうね。

さて、次回からは、すべてを裏で操っていた権力欲の権化、治斉がいよいよ正体を現し始めますね。サスペンス風味も増してきます。仲間由紀恵さんの全開モードに期待です!

【医療編第13話 SNSでの感想・評判】

Keiko

現在の駆け足な感じでも素晴らしいドラマだけど、本当に、もっとじっくり時間をかけて作れたらどれだけ素晴らしくなるか。とり上げられなかった他の時代も映像で見てみたいです。署名活動があったらサインします。

Keiko

黒木の慟哭シーンでは、雨の中でも黒木のセリフがきちんと聴こえるようにと、心を砕いたスタッフさんたちの存在がありました。玉置玲央さんご本人からのポストでした!

シーズン2医療編 第14話の感想 〇〇〇〇に刃物、サイコパスに権力。

【医療編第14話 個人的感想】

今回はやっぱり仲間由紀恵まつりでしたね!

仲間さん演じる治斉は、1ミリの罪悪感もなく、退屈しのぎに人の心や命をもて遊ぶ女です。だからこそ恐ろしい。

仲間由紀恵さんの演技、家斉を恫喝するシーンも、毒を飲んで苦しむ武女を楽しそうな恍惚の表情で眺めるシーンも圧巻でした。

でも一番ゾッとしたのは、治斉が仏壇にずらっと並んだ位牌に話しかけるシーン。

若い頃から平気でウソをつき、親きょうだいすら亡き者にしてきた治斉ですが、ドラマではそこは描かれなくても、あの並び立つ位牌が彼女の過去そのもの。それに向かって話しかける軽~い口調が、彼女の異常性を物語っていました。

村々を回っていたひげボーボーの黒木がついに熊痘(ゆうとう)にたどり着いたシーン、ちょこっと出てきた源内の笑顔が、一服の清涼剤でした。

医療編はいよいよ来週で終わりそうです。またしても、ハラハラドキドキです。ラストで、幕末編で大活躍の阿部ちゃん(阿部正弘)が登場か?

【医療編第14話 SNSでの感想・評判】

Keiko

そうそう、治斉が家斉に人痘を受けさせたのは、家斉のためではなく自分のためですね。うまくいけば彼を将軍にして権力を握れるし、失敗したらそれはそれで使える、ぐらいの気持ち……。

Keiko

そうですね。時を越えた人、モノ、コトのつながりを描いているのも、よしながふみさんの「大奥」の大きな特徴であり、優れたところのひとつだと思います。

シーズン2医療編 第15話の感想 志なき者の敗北。

【医療編第15話 個人的感想】

医療編がついに完結しましたね。数々の犠牲者を出しながら、赤面疱瘡がついに克服されました。(1話2時間ぐらいでやってほしかった……。)

男が女に支配された世を変えるため、心を病んだ御台のため、家斉は自らの意志で黒木たちの活動を支援します。でも、その動きをついにラスボス・治斉に知られ、絶体絶命……というところで、あっと驚く展開が。

因果応報。そして志なき者は、最後、志ある者に負けるのです。

仲間由紀恵さんの治斉は最後まで絶品でした。原作を読んだ時と同じように「こんな悪人、助けなくていいじゃん?」と思いましたもの。

中村蒼さんの家斉もハマり役でした。気弱で無気力な家斉から、揺れ動く家斉、覚醒した家斉、冷徹さが加わった家斉まで完璧です。しかし彼の選択によって、新たな悲しいドラマも生まれてしまう……。

ラスト数分の展開には驚きました!阿部正弘登場!の後でいきなり家慶!あの短いシーンだけで悪夢を見そうでしたが、その後の予告でちょっと気を取り直せました。

いいですね~瀧山。家定の地獄も、ドラマではそう長く続かない予感。次回も絶対見逃せません!

【医療編第15話 SNSでの感想・評判】

Keiko

はい、蓮佛美沙子さんの鬼気迫る熱演もとても印象的でした!大奥シーズン2は、悪役に振り切った仲間由紀恵さんを中心に、俳優さんたちのパワーが全開になっているのを感じます。

Keiko

しぶとかった治斉の壮絶な敗北、その後現れたとんでもない虐待将軍……。本当に次から次へと。われわれ視聴者、感情揺さぶられっぱなし!次回からいよいよ古川雄大さんの瀧山登場ですね♪

シーズン2幕末編 第16話の感想 あきらめが希望と誇りに変わる瞬間 。

【幕末編第16話 個人的感想】

将軍家定、阿部正弘、瀧山の3人を主軸に進んだ第16話。単なる主従関係ではなく、出会いがそれぞれにとっての救いとなっているのがよいですね。あきらめが希望と誇りに変わる瞬間を、どの役者さんも美しく表現していました。

家定を演じる愛希れいかさん、家定の複雑な心情をすごく丁寧に表現していてぐっときました。「上様」としての威厳も十分。ほれぼれします。

瀧内公美さんの阿部正弘も、人柄の良さ、家定への思いがすごく伝わってきて好感がもてます。ただ、ふわ~んとしすぎ?と感じるところも。そういう演出なんでしょうけど、正弘は若くても武家の女性だし、キリッとする場面以外でも、もうちょっと肝の据わった人物像にしてもよかったと個人的には思います。

そして瀧山。やっぱり古川雄大さんドンピシャですね!花魁姿での物言い、しなの作り方など、色気と品に満ちていました。そして過去も含めて正弘に受け入れられ、心を決めた瞬間に目に強さが宿った、あの繊細な演技。流水紋を背負っての見得も決まっておりました。

ただ、正弘との会話で「異国への対応」についての問答がなかったのはとても残念。そこに瀧山の知性、見識、人としての面白味がよく表れていて、スカウトの大きな決め手になったはずだからです。

驚いたのは遠山の金さん。原作にちょっと登場するので「出たら面白いけど出ないよね」と思っていたら、まさかのリクルーターに!なるほど、瀧山の背中を押すのに適役ではありますね。

ところで家慶。やーめーろー。画面に出ている時間は少ないのに、イヤらしさと性悪さを煮詰めたような家慶(着物の配色も暑苦しい)に胸やけが……。役柄は最低だけど、ざっくり爪痕を残して去った高嶋政伸さんは讃えたい。さすがです。

彼の家定への虐待に関してだけは、駆け足の展開でよかった!と誰もが思ったことでしょう。

ただ、原作既読組は、どうしても「あのセリフ、あのシーンがない~」「テンポ早すぎ~」とかの感想も抱いてしまいますよね。なので私は続けて2回観ています。2回目はなるべく雑念をはらって、役者さんの表情をじっくり味わいながら見ると、より楽しめるので。

さて次回は、ラストで凛々しく登場した福士蒼汰さんの島津胤篤と、家定の物語。正弘との名場面も。忘れずにティッシュをご用意くださいませ……。

【幕末編第16話 SNSでの感想・評判】

Keiko

父親からも母親からも尊厳をふみにじられてきた家定が、あの瞬間、人生に希望と誇りを取り戻しました。愛希れいかさんの力で、とても美しく輝いたシーンになりましたね。

Keiko

このドラマの素晴らしさの原点はそこですね。原作愛です。それがあるからこそ、これほどまでに的確なキャスティングや演出が可能になったんだと思います。

シーズン2幕末編 第17話の感想 家定と正弘、そして瀧山。

【幕末編第17話 個人的感想 】

前回、バーンと登場した島津胤篤役の福士蒼汰さんが、今回もキラキラオーラをふりまいています。福士さん、胤篤のつかみどころのない感じをうまく出していますね。
 
懐柔されまいと身構えていたのに、だんだん胤篤のペースにのせられていく愛希れいかさんの家定も可愛らしかったです。

そして正弘と家定の再会。別人のように元気で幸せそうな家定の隣に、温かく見守っている伴侶がいる。正弘が願い続けた、夢のような光景が目の前に

原作でも忘れられない名シーンですが、瀧内公美さんと愛希さんがそこに命を吹き込み、喜び、悲しみ、愛、感謝、惜別、さまざまな感情が画面からあふれる美しい時間でした。思い出しても涙を誘われます。

そして、古川さんが演じる瀧山の表情。胤篤に警戒心バリバリの瀧山、胤篤に調子を狂わされる瀧山、家定の「おかわり」を喜ぶ瀧山、正弘が大切で寂しくてたまらない瀧山。

ほんの少しの目の動きにも全部違う思いや感情がのせられ、完全に瀧山と一体化した古川さんがそこにいました。感嘆。

井伊直弼を演じた津田健次郎さん、一橋慶喜を演じた大東駿介さんも素晴らしかった。二人ともプライドの塊で、居丈高だったり慇懃無礼だったり。「イヤな奴」がうますぎてご本人まで視聴者に嫌われないか心配なほど。

とにかく今回も、キャストの方々の魂のこもった熱演を堪能させていただきました!

【幕末編第17話 SNSでの感想・評判】

Keiko

暗い絶望から希望に満ちた明るい光の中へ。そこには家定にとってこの上なく大切な人たちの姿が。家定がまとった陽光は、彼女の幸せを願い続けた正弘の人生を照らす光でもありました(T_T)

Keiko

↑イラストによる「井伊直弼まとめ」もありました!豊かな表情がしっかり切り取られていて、うまいな~と思います。

シーズン2幕末編 第18話の感想 今この時が、この上もなく……。

【幕末編第18話 個人的感想 】

第18話には、2つの大きな柱があったと思います。

ひとつは家定と胤篤の愛の成就。大奥屈指の名シーンを、福士蒼汰さんと愛希れいかさん、美しいお二人が情緒豊かに演じました。当然、画面も美しい。
白、ブルー、ダークブルーの色調に、蛍を舞わせる美的センスよ……。長く心に残る映像です。

しかし、ストーリーはそんな幸せの絶頂から奈落の底へ。視聴者はどこまでメンタルを鍛えればいいのでしょうか?どれだけティッシュを消費すればいいのでしょうか?

いつもどこか余裕を感じさせていた胤篤ですが、ここで知らぬ間に愛する人を失った悲しみ、怒りを爆発させます。瀧山もそんな胤篤を静かに受け止めるのが精いっぱい。同時に、胤篤の家定への思いが本物であることも確信できたでしょう。

そしてもうひとつの柱は、男同士の対決
福士さんと中澤役の木村了さん。福士さんと井伊直弼役の津田健次郎さん。どちらも気迫みなぎる演技の応酬でした。

中澤には島津斉彬への忠義というバックボーンがあり、井伊には徳川家への忠義というバックボーンがあります。胤篤は元々は政治的な思惑で薩摩から遣わされた人間、でも今は家定の正室として生きています。だからこそ、誰もが引かない。

自分に忠実に生きるからこその葛藤や軋轢。どのキャラクターも、人としての芯があるのです。それが十分に伝わってくる圧巻のシーンでした。

そして最後にまたぶちかましてくれましたね。早くも和宮登場「えっ、和宮が女?」とみんな思いましたよね。よしなが大奥は、そのへんの感覚がちょっとおかしくなるのがお約束です。

次回は和宮役の岸井ゆきのさんはもちろん、クセのある京都からの同伴者も良い仕事をされることでしょう。ワクワク。早く見たい、でも終わりが近いと思うとフクザツ。

【幕末編第18話 SNSでの感想・評判】

悲しい回でしたが、はじめのほうにちょっと笑えるシーンもあり、X界隈がなごみました。胤篤が新しい裃をあつらえることになり、見本帳を見て気に入った柄は、瀧山お気に入りの「お万ごのみ」といわれる流水紋でした。でも、もし篤胤がその裃を作ったら、もう瀧山は同じ柄を着られません。なんとか阻止したかった瀧山ですが、願いもむなしく……。一連のシーンでの古川雄大さんの表情がケッサク!と評判でした。

Keiko

瀧山心の声(お、俺の流水紋……!)(せっかく作ったあの裃もう着れないじゃん。とほほ)/池谷「あの……いっそお二人お揃いでお召しになってみるなど」瀧山「できるかっ!」(半ベソ)
ちなみにお針子の池谷を演じてるのは、冨永愛さんの息子さん、冨永章胤(あきつぐ)さんです。

Keiko

原作と全然要望が違うけど「完全に中澤」、同感です!主君命のガチガチの男として胤篤にキツイことも言いますが、最後のほうになるとちょっと面白い一面も見えてくるんですよね。

Keiko

有吉さんの『和宮様御留』も衝撃でした。『大奥』では、身代わりだけど一応皇女、でも、女性の将軍がいるこの大奥に女性の和宮が来るのは困るという、ややこしい状況です。ところが、この設定が後々生きてくるわけですね。

シーズン2幕末編 第19話の感想 名前のない愛。

【幕末編第19話 個人的感想 】

家茂と和宮(親子 ちかこ)。原作では2巻にわたって描かれた2人の心の触れ合いが、ぎゅっと凝縮された45分でした。

和宮の偽者であることが露見すると、開き直り、高飛車にふるまう親子。家茂はそんな彼女を見て高貴な身分の出であると悟り、事情がわかると、彼女をこのまま正室とすることを決断します。家茂の聡明さ、既成概念にとらわれない器の大きさが、すでにここで表れています。

複雑な思いを抱えて育ち、罪悪感もある親子はかたくなな態度でしたが、しだいに家茂に心を開いていきます。志田彩良さんの笑顔が、屈託のない明るさと優しさをもつ家茂そのもの。

そして、生まれて初めて力強く自分の存在を肯定され、号泣する親子。そこに至る親子の繊細微妙な心の動きを、岸井ゆきのさんが見事に演じています。涙なくしては見られないシーンです。(後から原作を読み返してまたひと泣きしました。)

二人の関係を名づけることは不可能ですが、確かにそこにはがあります。

彼女たちを見守る福士・天璋院古川・瀧山。共に家茂を、徳川を守ろうとする彼らの息が合ってきたことが、二人の交わすアイコンタクトでわかります。良いです。

帝と家茂の謁見では、志田さんのまっすぐな強い視線、表情、声がすごい説得力。志田さんの硬軟併せ持つ表現力、素晴らしいですね。

そんな家茂とは対照的に、身分やメンツにこだわり人を敬えない大東駿介・一橋慶喜や、情緒不安定な平岩紙・勧行院さんなど、懸念材料はありつつ次週も怒涛の展開です。あと2回で終わり?やだー!

【幕末編第19話 SNSでの感想・評判】

Keiko

今回の見どころをあますことなく列挙していただきました!天璋院と猫のシーンもよかったですよね。

Keiko

最後のオチがいいですね!私も見たいです。日曜の夜に毎回精神えぐられて、メンタル強くなれそうです。それにそれ以上に感動が大きいから。翌朝こんな目(здз)になってもイイ!

シーズン2幕末編 第20話の感想 大切な人と笑っていたいだけなのに。

【幕末編第20話 個人的感想】

徳川とかこの国とかそんなんどうでもようない?そんなのは争うことが大好きな腐れ男にまかせて、私たちはきれいなもの着てお茶飲んでカステラ食べてたらそれでようない?

憤りの中に深い悲しみをたたえた和宮(親子)の独白

そうですよね。大切な人とただ平和な日常を過ごしたい。他愛ないことで笑っていたい。そんな願いすら踏みにじられる世の中って?なぜ、何がそうさせているの?ここにも、このドラマが持つ普遍的な問いかけがあります。

そして親子は、憎まれ口をききつつ、家茂にもらった愛情にお返しをしたくて必死でした。「上さんはいつも人のことばっかりで、アホやろ」と言いますが、自分だって、彼女の身代わりになって命がけで子どもまで産もうとしたのです。本当は大好きで大切で、家茂のためなら草履を運んであげるのも平気だし、仏様を借りてきてお百度参りもする。

母とは成立しなかった愛情のキャッチボールが、ようやくできるようになったのに、運命は残酷です。こんな悲しい展開ヒドイ!と思っても、家茂の惜しまれながらの早世は史実のままなので、作者にクレームはつけられません。しかも親子を演じる岸井ゆきのさんが可愛すぎて、悲しみ10倍増しです。

前回、家茂と親子が花びら餅を食べるシーンを入れてくれたのは、『ドラマ10大奥』の優しさでしょうか……。

あと、要所要所で、山村紅葉さんの土御門の表情からビビッドな心情が伝わってきてよかったです。古川雄大さんの瀧山もそう。他のみなさんも、一人ひとりが本当に丁寧に演じていらっしゃるのを感じます。好き。

次回はついに最終回。15分延長されるそうです。終わってほしくない、でもあのシーンは見たい!ジレンマを感じつつ、あっという間にその日を迎えてしまいそう。

【幕末編第20話 SNSでの感想・評判】

Keiko

その通りですね!「大切に愛おしく思う気持ち」に、性別も年齢も血縁の有無も関係ありません。根底にある、そういう大きな視点がドラマに厚みをもたらしていると思います。ついでに言えば、よしながさんは、巷でどうのこうの言われるずーっと昔から「多様性」を描き続けている作家さんなのです。

Keiko

あなたがいてこそ、生きていてこそ、なんですよね。そしてこの歌を情景として見せているのが上のカット……(T_T)(思い出し泣き)

Keiko

時代が変わり、人が変われば「場」の意味も変わっていく。当たり前ではあるんですが、この大奥は、その背景や登場人物を思い浮かべると、切なくて切なくて。

シーズン2幕末編 第21話の感想 48回やってほしかった。

【幕末編第21話 個人的感想】

終わりましたね。

よしなが先生の大奥のラストは漫画史に残る名シーンだと思います。あまりに完璧で、読んだときは衝撃でした。滅びの美を描いて終わりではなく、その先の未来を予感させ、それでいてラストシーンが1巻目の冒頭にもつながる仕掛け。

絶対にドラマでも再現してほしい、でないと暴れる!と思っていたのですが、その通りにしていただき本当に嬉しかったです。きっと同じように思っていた人も多いですよね。

瀧山が御鈴廊下にたたずむと時間が戻り、歴代将軍が登場したのもゾクゾクしました。これまで観てきた自分の記憶も重なって、感動もひとしおです。

そして、さまざまなめぐりあわせが凝縮された最終回でもありました。

和宮が江戸城無血開城のためにあれだけ頑張ったのは、家茂の愛情に応えるため。結果的に、家茂が江戸の町を守ったともいえます。
天璋院から家定へ、さらに瀧山への手に渡った懐中時計が、瀧山の命を救いました。
黒木の孫が家定の臨終に立ち会い、天璋院に救いを与える。瀧山を助けた天璋院が御一新ののちは瀧山を頼る。

こんなふうに、人と人が織りなす縁は、これまでもこれからも途切れることなく続いていくのでしょう。

優れた物語は、時空を超えた世界へと私たちの思いを広げてくれます。大奥は間違いなくそういう物語でした。

そして演じたみなさま、制作スタッフのみなさま、どの方にも「本気」「全力」「原作へのリスペクト」を感じました。重箱の隅をつつくことはできても、「じゃあお前なら完璧にできるのか?」と言われたらすみませんできないです。みなさま本当にすごいですし、作品への愛がありました。

本当に、48回ぐらいやってほしかったですねぇ……。

【幕末編第21話 SNSでの感想・評判】

Keiko

短いシーンでしたが、幼き津田梅子を演じたのは『ばらかもん』などに出ていた宮崎莉里沙ちゃんという子役ですよ。可愛かったですね!

Keiko

私もできればそのシーンやってほしかったです。一番身分が下の御半下(おはした)だろうと分け隔てなく大事にする、苦労人・瀧山の優しさが好き♡

Keiko

はい、原作へのリスペクト感じました!神キャスティング連発にも感動しました!猫の「さと姫」の可愛さも忘れられません!

まとめ

NHKドラマ10『大奥』Season2の面白さについて、基本情報、あらすじ、感想、見どころなど、いろいろな角度からお伝えしました。感想の部分では、個人的な好みとコーフンがあいまってお見苦しい点もあったかと思います。

キャストや物語の展開から言っても、シーズン2はシーズン1に引けをとらない面白さです。

本当は同じファンのみなさまとリアルタイムで語り合いたいですが、この記事を媒介に、『大奥』の世界をご一緒に堪能できたらうれしいです。

追伸:もっと深くドラマを味わうには、原作を読むのがおすすめ。文句なしの名作です。ドラマで割愛された感動のエピソードもいろいろ。この機会に、あなたも漫画『大奥』の沼に足を踏み入れてみませんか?

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この記事を書いた人

Keikoのアバター Keiko 編集者・ライター

雑誌記者歴10年以上、書籍制作で発行部数150万部超の編集者・ライターです。テレビドラマや映画、音楽、タレント、俳優、アーティスト等の気になる話題など、私のアンテナが反応した情報をお届けします。

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